この記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
東京で親子のお出かけ先を探していて、博物館の名前が気になったとするよね。
「お札と切手」。身近だけど、何を見れば面白いんだろう。ずらっと並んだ展示を前に、大人のほうが説明に困らないかな……。
そこ、全部を教えようとしなくて大丈夫!
王子の「お札と切手の博物館」には、偽造防止の技術を確かめるコーナーも、一億円の束のレプリカを持ち上げるコーナーもあります。財布の中のお札から出発して、印刷の細かさや世界のデザインへ、見るものを一つずつ広げていける場所だよ。
入館は無料。公式の見学目安は約一時間です。ただ、二階へ上がる手段は階段のみ。ここは行く前に知っておきたいところ。
今回は、小学生くらいの子と初めて訪れる場面を想定して、見たいものの選び方と準備をまとめます。書籍を組み合わせるなら、国立印刷局と同博物館が協力した『学研の図鑑LIVEクイズ お金のクイズ図鑑』も候補。知識を詰め込むより、現地で確かめたくなる疑問を一つ持って行こう。
王子で約一時間。図鑑を入口に、見たいものから予定を作ろう
まず予定表には、博物館の時間をひとまとまりで取っておこう。公式案内の約一時間は見学の目安で、駅からの移動や、その前後の休憩まで含めた時間ではありません。
たとえば次の予定が正午からあるなら、正午ぎりぎりまで展示を見る組み方にはしない。出入口へ戻る時間や歩く時間も必要だもんね。全部を駆け足で回るより、いちばん見たいものに立ち止まれる余白を残すほうをすすめます。
基本情報はこんなふうに押さえておけば、当日の相談がしやすいよ。
| 項目 | 公式案内の内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都北区王子1-6-1 |
| 開館時間 | 9時30分から17時まで |
| 休館日 | 月曜日。祝日の月曜日は開館し、翌平日が休館 |
| 年末年始 | 12月29日から1月3日まで休館 |
| 入館料・見学目安 | 無料、約一時間 |
| 駅から | JR王子駅中央口、南北線王子駅1番出口、東京さくらトラム王子駅前から、それぞれ徒歩約三分 |
臨時休館もあるので、訪問前は博物館の入館案内・アクセスと公式トップのお知らせを確認してね。祝日を含む週は、普段の月曜休みだけで判断しないほうが安心です。
二階展示室へは階段だけで、エレベーター等はありません。一階にはバリアフリートイレがありますが、その設備があることと、全フロアを段差なしで回れることは別。ベビーカーや車いすを使う場合、また階段が負担になる場合は、見たい展示が何階かを確認して、必要なことを博物館へ相談しよう。専用駐車場もないので、車なら駐車の予定を別に考えておいてね。
少人数の親子のお出かけに、団体の申込手順をそのまま当てはめる必要はありません。ただし、十人以上なら事前の連絡と観覧申込書が必要。修学旅行などで見学する児童・生徒のグループには十人以下でも申込書を求めているので、学校の活動や大人数の集まりなら団体利用の案内を見てください。混雑時には入館制限がある点も、無料だから無条件に入れると考えないでおこう。
さて、時間と行き方が決まったら、次は「何を見る?」だねっ。
そこで使いやすい入口が、三択形式の『お金のクイズ図鑑』。出版社によると百問を収めた文庫判の本で、写真やイラストを使い、お金の歴史や日本のお金に隠された秘密、世界のお金などを扱っています。国立印刷局と「お札と切手の博物館」は協力として記載されています。
出発前に全部読む必要はないよ。「日本のお金にかくされた秘密」か「世界のお金」など、関心のある分野を選ぶ。自分で読める子なら選んでもらい、読むのがまだ大変なら大人が内容紹介や目次から話題を選ぶ方法もあります。
図鑑を買うことが入館の条件ではありません。今ある疑問だけでも出かけられるし、本を読むのは見学後でもいい。せっかく用意するなら、答えを暗記する宿題にせず、現地で見たいものを探すために使いたいね。
一階ではお札の「細かい!」へ。触れる展示とケースを分けて見よう
一階の常設展には、新日本銀行券の紹介、スタンホープ印刷機、偽造防止技術の歴史、体験コーナーなどがあります。最初から順番に説明文を読み切ろうとせず、身近なお札と結び付く場所から入ってみよう。
たとえば、お札に描かれた顔だけでなく、その周りの線や模様に目を向ける。いつもなら金額を確かめて終わるものなのに、ここでは印刷の細部が主役になるんだよ。
公式の見どころ解説では、原版彫刻の技法として、金属板に手で直接彫る「直刻凹版」が紹介されています。一ミリメートルの間に十本以上の線を彫れるほど精密な技法だそう。
一ミリの間に、十本以上。
ちょ、細かいっ! その数字を知ってから絵柄を見ると、「顔が印刷されている」で通り過ぎるより、線でどう表現しているかを確かめたくならない?
ここでの声かけは、難しい名前を覚えさせることより、どこに線が集まっているか探すくらいからでいいと思います。説明を読める子なら技法へ、絵を見るのが好きなら図柄へ。入口は同じでなくていいんだよ。
紙にも見るところがあります。「白黒すかし」は、光を通すと明暗の変化で絵柄を表す技術として説明されています。印刷された模様と、紙に設けられた工夫。お札には複数の技術がある、という違いに目を向けるだけでも、観察がぐっと具体的になります。
偽造防止技術の体験コーナーでは、高精細すき入れ、3Dホログラム、マイクロ文字、特殊発光インキなどの様子を、装置を使って確かめられると案内されています。言葉だけでは想像しにくいものを、見るための設備があるのは見学先を選ぶ理由になるね。タブレット形式のお札クイズも紹介されています。
ただし、体験コーナーがあるからといって、ほかの展示やケースにも触っていいわけではありません。触れる体験は、その場所の表示や係員の案内に従って楽しもう。子どもに「触らないで」を繰り返す前に、触って確かめる場所と、目で見る場所を分けて伝えておくと、見学のルールを説明しやすくなります。
そして、一億円の束のレプリカ!
公式に、持ち上げて重みを確かめるコーナーとして紹介されています。本物の一億円を自由に扱う体験ではなく、レプリカです。重さの具体的な数字を覚えてから挑む必要はないよ。「持ち上げるなら、どんな感じだろう」と想像して確かめる。その順番で十分。
親が先に正解を並べすぎると、本人が確かめるところまで先回りしてしまうこともあるよね。分からないことは、説明を一緒に探せばいい。大人が全部答えを持っている必要はありません。
この一階の見方と図鑑をつなぐなら、「日本のお金にかくされた秘密」が入口になります。展示で初めて知った技術名を帰宅後の読書へ持ち帰る使い方もできるよ。本に体験装置そのものが付いてくるわけではないので、現地で見ることと、本で知ることを組み合わせよう。
展示の構成と技法の説明は国立印刷局「見どころ解説」を参照しました。特別展の期間には一・二階とも展示内容が変わる場合があるため、掲載された体験を当日必ず利用できるという保証にはしないでね。
二階は「同じお金なのに違う!」。歴史と世界のお札を比べよう
二階へ進むなら、お札の移り変わりと、世界のお札を見比べる時間を取りたいところ。常設展には世界の珍しいお札のほか、日本のお札の歴史をたどる展示があります。
ここは、国名や年代を次々覚えるより、違いを一つ見つける見方をすすめます。
大きさ。形。素材。描かれているもの。
比べるものを一つに絞ると、何を見ればよいかが決めやすくなるよ。
公式の解説で紹介されている珍しいお札には、布で作られたものや、切手ほどの大きさのものなどがあります。お札と聞いて思い浮かべる、今の日本の紙幣の姿。そのイメージから、別の姿へ広げていける展示なんだね。
もし大きさに目が向いたら、まずは二つを見比べてみる。図柄が気になれば、次はそこを見る。小さいから安い、大きいから価値が高い、という決め付けまでは進めないで、展示の説明へ戻ろう。外見で分かることと、そのお金が生まれた背景は、分けて知りたいところです。
日本のお札の移り変わりでは、江戸時代のものから近現代のものへと見ることができます。今のお札と違う点を探すなら、図柄や文字の印象に注目する方法もあるね。歴史の年表を丸ごと暗記しなくても、時代によって姿が変わるという気付きから始められます。
たとえばメモに残すなら、「昔のお札は違った」だけで終えず、「大きさが気になった」「人物の描き方を比べた」と、見たことを少し具体的にしてみる。そこから、なぜその形や図柄だったのかを後で調べれば、観察と疑問がつながるよ。分からなかった理由を、その場で想像だけで埋めなくて大丈夫。
二階には切手の展示もあります。お札の違いを見るのが面白ければ、次は小さな切手の中にどんな図柄が収まっているか、と視線を移すこともできます。国立印刷局はお札や切手を製造していますが、博物館のFAQではコインの展示は行っていないと案内されています。硬貨が目当てなら、行き先の期待をここで合わせておこうね。
切手を買って帰るつもりの人も、先にひとつ。館内では切手の販売はしていません。古いお札や外国のお札、切手の価値を調べてもらう鑑定も行っていないので、収集品の値段を相談する場所とは分けて考えてね。この点は博物館のFAQに掲載されています。
お金の世界が広がったところで、図鑑の「お金の歴史」「世界のお金」へ戻ると、見学と読書の話題をつなげられます。ただ、見た展示が必ずそのまま本に載っている、という意味ではありません。本の目次から、気になった分野を選ぶための組み合わせです。
国名がまだ難しい子には、無理に全部を説明しなくていいと思う。大きさや絵柄から見て、知りたいことが出てきたら次へ進む。読める量や集中できる時間に合わせて、今日はどこまで楽しむかを変えられます。
当日のフロア構成を確かめたいときは、常設展示の案内も見てね。二階を含めて回るかは、階段の条件と残り時間を合わせて決めよう。
写真で全部を残さなくてもいい。帰り道に一つ、図鑑へ持って帰ろう
見学の最後に、写真をたくさん撮っておかなくちゃ、と焦らなくていいよ。館内の写真は私的利用の静止画に限られ、一部に撮影禁止の場所があります。フラッシュ、著しい接写、自撮り棒・一脚・三脚の使用、動画、音声録音は禁止です。
スマホを向ける前に、その場所の表示を見よう。ケースへ寄りすぎず、ほかの人の見学を妨げないように。記事や出版物などのための撮影は別途申請が必要なので、個人の記念撮影の条件を、そのまま公開利用の許可と考えないでください。
記録したいことがあれば、撮影できる範囲で残すほかに、見終わってから展示名と気になった点を短くメモする方法もあります。「一億円のレプリカ」「小さなお札」など、自分が戻ってこられる言葉で十分。見たものの写真がないと、見学が失敗になるわけじゃないからね。
館内では飲食を控える案内があり、水分補給は一階の自動販売機スペースで行うよう示されています。展示ケースを見ながら飲む予定にはせず、休むときはいったん場所を変えよう。走り回る、大声で話すといった行為も避けて、小さな声で感想を交わせるくらいの見方にしたいね。
帰ってから何かまとめたいなら、観察したことと、これから調べたいことを分けるのがおすすめです。たとえば、見た展示の名前を一つ書く。その下に、分かったことと、まだ分からないことを一つずつ。自由研究にする場合も、公式の説明を使った部分には出典を付け、自分が見て気付いた部分と区別しよう。
そこで図鑑を開くなら、最初から百問を順に解き切らなくてもいいよ。帰り道で気になった分野へ戻ればいい。正解の数で見学を採点するより、館内で生まれた疑問を次に調べるために使いたい一冊です。
購入する際は、書名だけでなく版も合わせておこう。今回紹介しているのは、2024年7月4日発売、文庫判・208ページ、ISBN9784052059742の新装版。2026年の新刊として紹介しているものではありません。紙の本か電子版か、中古か新品か、発送の目安も販売ページで確認してね。
出版社は小学生の各学年を対象として示していますが、読む難しさや好みはそれぞれ。長い説明を読むより選択肢から考えるほうが入りやすい子には、候補になると思います。一方、詳しい東京の地図や館内の順路を探しているなら、この本だけでは目的が違います。場所と見学条件は博物館公式、お金の話題を広げる読書には図鑑、と使いどころを分けよう。
2024年新装版・ISBN9784052059742の販売内容を確認する
書誌と内容はGakkenの書籍紹介、撮影条件は博物館の撮影ガイドライン掲載ページを参照しました。
最初は、お札のどこを見ればいいのか分からなくても大丈夫。
細かな線を見たいのか、レプリカの重みを確かめたいのか、世界のお札を比べたいのか。今日はそのうち、どれが気になる?
一つ決まったら、そこを出発点にしよう。全部の展示を説明できなくても、目の前のお札に立ち止まる時間は作れるよ。身近なものを、いつもと違う見方で眺めに行こうねっ!