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汐留や新橋の高層ビルのすぐそばに、江戸の将軍家の庭がそのまま残る場所があるのをご存じでしょうか。浜離宮恩賜庭園は、東京湾の海水を引き入れた池や、池に浮かぶ御茶屋、将軍の時代を再現した建物が見られる都心の大名庭園です。
ここでは、庭園の成り立ちと入園料、まず見たい見どころ、ほかに見逃せない場所、回り方と水上バス、秋から冬の催しの順に整理します。2026年10月時点の情報です。
浜離宮恩賜庭園とはどんな庭園?
見どころを回る前に、この庭園がどうやって生まれ、今どんな形で公開されているのかを知っておくと、園内の景色がぐっと面白くなります。
将軍家の別邸から開園80年
東京都公園協会の浜離宮恩賜庭園のページによると、この地は寛永年間(1624〜1644年)までは将軍家の鷹狩場で、一面の芦原でした。初めて屋敷を建てたのは、四代将軍家綱の弟で甲府宰相の松平綱重です。承応3年(1654年)、綱重は将軍から海を埋め立てて別邸を建てる許しを得て、甲府浜屋敷と呼ばれる屋敷をつくりました。
その後、綱重の子の綱豊(家宣)が六代将軍になったのをきっかけに、屋敷は将軍家の別邸となり、名前も浜御殿と改められました。歴代の将軍が何度も造園や改修を重ね、十一代将軍家斉のときに、ほぼ現在の姿の庭園が完成したとされています。東京都公園協会のパンフレットは、江戸時代には江戸城の「出城」としての役割も果たしていたそうです。
明治維新の後は皇室の離宮となり、名前が浜離宮に変わりました。関東大震災や戦災で御茶屋などの建物が焼け、樹木も傷みましたが、昭和20年(1945年)11月3日に東京都へ下賜されます。整備を経て、昭和21年(1946年)4月から有料で公開されるようになりました。
文化財としての評価も高く、昭和23年(1948年)12月に国の名勝と史跡に、昭和27年(1952年)11月には周囲の水面を含めて国の特別名勝と特別史跡に指定されています。開園面積は約25万平方メートルあり、歩いて回るとかなりの広さを感じるはずです。
2026年は、一般公開から80年の節目の年にあたります。開園80周年記念事業のお知らせによると、3月20日から12月25日まで、花木園休憩所で濱御殿から浜離宮への歴史を紹介するパネル展「甦る江戸の風景〜その保全と継承〜」が開かれています。参加は無料で、入園料だけで見られるそうです。
記念事業ではほかにも、4月12日に、かつて「観桜会」が開かれていた横堀の付近にサクラを補植する植樹式が開かれました。5月9日の記念演奏会は、かつて海外の要人を園内の延遼館でもてなした史実にちなんだものだったそうです。
このパネル展を先に見ておくと、園内の建物や池がどの時代のものかがわかりやすくなるでしょう。将軍の庭から皇室の離宮、そして都の庭園へと移り変わった歴史を頭に入れてから歩くのがおすすめです。
入園料と開園時間
東京都公園協会のページによると、開園時間は午前9時から午後5時までで、入園は午後4時30分までです。休園日は12月29日から翌年1月1日までの年末年始だけで、よくあるご質問にあるとおり月曜日も開園しています。イベントの期間などには、時間が延びる場合もあるといいます。
入園料は一般300円、65歳以上150円です。小学生以下と、都内に住んでいるか都内の学校に通う中学生は無料で、小学生以下の子どもには保護者の付き添いが必要とされています。20名以上の団体は一般240円、65歳以上120円となっています。旅行会社などの一般団体は事前予約が不要で、小中学校などの団体は、来園の1週間前までに申請すれば引率の先生の入園料が免除されるそうです。障害者手帳を持つ人と付き添いの人(原則1名)も無料で、障害者手帳アプリ「ミライロID」も使えます。
毎年5月4日のみどりの日と、10月1日の都民の日は無料公開日です。何度も訪れる予定があるなら、発行日から1年間使える年間パスポートもあります。浜離宮恩賜庭園だけのものは一般1,200円、都立9庭園共通のものは一般4,000円です。
近くの旧芝離宮恩賜庭園にも寄るなら、「園結びチケット」が便利でしょう。両方の庭園に入れて一般400円で、有効期限はありません。旧芝離宮恩賜庭園は、浜離宮から歩いて約15分の距離にあります。
支払いには、交通系電子マネーやクレジットカード、PayPayなどのコード決済が使えます。購入した当日だけ有効なオンライン入園券も用意されているため、窓口の列を避けたい人は事前に買っておくのも1つの方法です。
入口は、新橋や汐留側の「大手門口」と、浜松町側の「中の御門口」の2か所です。大手門口へは都営大江戸線の汐留駅や築地市場駅、ゆりかもめの汐留駅から歩いて7分、JR新橋駅から12分かかります。中の御門口へは大江戸線とゆりかもめの汐留駅から5分、JR浜松町駅から15分です。よくあるご質問によると、一般の人が使える駐車場はありません。大手門の駐車スペースは、障害者や車椅子の人の車と、観光バスなど車高の高い車に限られているため、電車で向かいましょう。
まず見たい見どころは?
限られた時間で回るなら、最初に向かいたいのは庭園の中心にある大きな池です。池と、池に浮かぶ御茶屋の2つを押さえておきましょう。
潮入の池とお伝い橋
浜離宮恩賜庭園でいちばんの見どころが、「潮入の池」です。パンフレットの園内図には「大泉水」という別の名前も添えられています。東京都公園協会のページによると、潮入の池とは海水を引き入れ、潮の満ち引きによって池の趣を変える様式のことで、海辺の庭園でよく使われていました。旧芝離宮恩賜庭園や清澄庭園、旧安田庭園なども昔は潮入の池でしたが、今も実際に海水が出入りしているのはここだけだといいます。
池の水は、東京湾の水位の上下に合わせて水門を開け閉めして調節されています。池にはボラをはじめ、セイゴ、ハゼ、ウナギなどの海の魚がすんでいるそうです。池の周りの岩や石にはベンケイガニなどがすみ、フジツボもついています。冬になると、キンクロハジロなどの渡り鳥もやってくるそうです。パンフレットでも、水面に鳥が遊ぶ都心のオアシスとして紹介されています。
時間帯によって水位が変わるため、午前と午後で池の見え方が違うこともあるでしょう。岸の石を見ると、潮が引いたときにどこまで水が来ていたかがわかることもあります。海辺の庭ならではの変化を探しながら歩くのも楽しみ方の1つです。
池の岸と中島を結んでいるのが「お伝い橋」です。東京都公園協会のパンフレットによると、岸から小の字島と中島を結ぶ長さ118メートルの総檜造りの橋で、平成24年(2012年)に改修されました。
浜離宮恩賜庭園の公式Xの投稿では、お伝い橋は途中で足を止めて御庭を眺めるようにも造られていると紹介されています。橋の上から振り返ると、池の向こうに汐留の高層ビルが並ぶ、浜離宮ならではの景色が見られます。
江戸の庭と現代のビル群が一度に目に入る眺めは、ほかの大名庭園ではなかなか味わえません。写真を撮るなら、橋の途中や中島から岸の方向を狙ってみてください。少し離れて全体を眺めたいなら、池のほとりの小高い富士見山に上るのも1つの方法でしょう。公式Xの投稿でも、富士見山から見た中島の御茶屋の様子が紹介されています。
なお、清澄庭園の池と庭石の楽しみ方は別の記事で紹介しています。かつて同じように潮入の池だった庭園と見比べると、それぞれの庭の個性がよくわかるはずです。
中島の御茶屋でひと休み
お伝い橋を渡った先の中島に建つのが「中島の御茶屋」です。東京都公園協会のパンフレットによると、宝永4年(1707年)に造られて以来、将軍をはじめ奥方や公家たちが庭園の眺めを楽しんだ休憩所でした。かつては眺めがよく、海のかなたに房総を望めたため、夕涼みや月見に使われたようです。
今の建物は、昭和58年(1983年)に再建されました。ここでは抹茶と和菓子のセット(有料)を味わえるのです。公式Xの投稿でも、中島の御茶屋ではお抹茶と上生菓子が楽しめると紹介されています。お伝い橋を紹介した投稿でも、散歩の合間の抹茶と和菓子をすすめていました。施設のページによると、営業時間は9時から16時45分までで、ラストオーダーは16時30分です。定休日は年末年始とされています。
池の上に建つ御茶屋から眺める景色は、園内でも特別です。Xでは、中島の御茶屋で秋の上生菓子とお抹茶を味わい、水面に映る高層ビルと緑の対比を眺める時間は至福だという投稿があります。今季の練り切りは「菊」だったという投稿もあり、季節ごとに和菓子が変わる楽しみもあるようです。
値段の目安としては、栗どら焼き抹茶セットが1,000円、ねりきりが540円だったという投稿があります。メニューや値段は時期によって変わることがあるため、店頭で確かめましょう。お土産を選ぶ楽しみもあり、お土産に羊羹と和三盆のお菓子も買ったという投稿や、御茶屋で開園80周年を記念したオリジナルのカステラを販売しているという案内も見られました。
園内にはレストランなど食事のできる施設はありません。よくあるご質問によると、持ってきたお弁当をベンチなどで食べることはできますが、アルコールは遠慮するよう求められています。敷物を使えるのは内堀広場と野外卓広場だけです。花木園の売店「濱見世」では、お団子や大福などを売っていると案内されています。濱見世の営業時間は9時から16時30分までです。
食事は園の外で済ませ、園内では御茶屋や売店で甘いものを楽しむ、という組み立てにすると無理がありません。御茶屋は池の景色を眺めながら休める場所なので、園内を一周した後半に寄ると、歩き疲れた足を休めるのにちょうどよいでしょう。
ほかに見逃せない場所は?
池のまわりには、将軍の時代を伝える建物や古い松、鴨猟の跡も残っています。時間に余裕があれば、ぜひ足を延ばしてみましょう。
当時の姿に復元された3つの御茶屋
潮入の池のほとりには、中島の御茶屋のほかにも御茶屋が並んでいます。東京都公園協会のページによると、歴代の将軍は御茶屋で賓客と食事をしたり、調度品を鑑賞したりして過ごしたほか、鷹狩りの際の休憩場所としても使っていました。その多くは焼けてしまいましたが、一部が当時の姿でよみがえっています。
11代将軍家斉の時代に建てられた「松の御茶屋」は平成22年(2010年)、「燕の御茶屋」は平成27年(2015年)、「鷹の御茶屋」は平成30年(2018年)に、それぞれ史料に基づいて忠実に復元されました。東京都公園協会のパンフレットによると、残された礎石などの遺構を調べたうえで建てられたそうです。
ふだんは外から眺めるだけですが、建物の中を見られる機会もあるのです。よくあるご質問によると、毎週木曜日の11時、12時、13時、14時に「御茶屋ガイド」が行われ、松の御茶屋と燕の御茶屋で当園の歴史や御茶屋の魅力を説明してくれます。
公式ページによると、御茶屋ガイドは1回約40分で、中学生以上が先着25名まで参加できます。建物の中では靴下の着用が求められているため、サンダルで出かける日は注意が必要でしょう。8月はガイドが休みになるため、夏に訪れる人は注意してください。
2026年は特別な催しもあります。松の御茶屋でお点前拝見のお知らせによると、11月15日には、開園80周年記念事業の第三弾として、松の御茶屋を特別なお茶会の場にした催しが開かれます。時間は10時から16時15分までの全7回で、各回約25分、定員は各回15名です。
参加費は2,500円(入園料は別)で、抹茶と、このお茶会限定のデザインの和菓子が付きます。申し込みは10月17日に始まった先着順です。キャンセルなどで空きが出た場合は、当日に松の御茶屋の前で販売するそうです。
台風が近づくときは、建物を守るために雨戸が閉められることがあります。公式Xの9月20日の投稿では、台風25号の接近に伴って庭園ガイドを中止し、松の御茶屋と燕の御茶屋の雨戸を閉めていると知らせていました。6月の投稿では、台風対策で閉めていた雨戸の乾燥を終えたので、外から内部の様子を見られるようになったと伝えています。天気が崩れそうな日は、出かける前に公式Xを見ておくと安心です。
三百年の松と鴨場とお花畑
大手門から入ってすぐのところにあるのが「三百年の松」です。東京都公園協会のページによると、六代将軍家宣が庭園を大改修したとき、その偉業をたたえて植えられたといわれるクロマツです。太い枝が低く張り出し、堂々とした姿を見せています。パンフレットの園内図には、ほかにも「吉宗ゆかりのトウカエデ」や藤棚、梅林、ボタン園、旧稲生神社が描かれています。ボタン園では、春になると色とりどりのボタンが咲くそうです。
園内には、江戸時代の鴨猟の場だった「鴨場」が2つ残っています。庚申堂鴨場は安永7年(1778年)、新銭座鴨場は寛政3年(1791年)に造られました。池と樹林を高さ3メートルほどの土手で囲い、外から遮って鴨が安心して休めるようにしてあったそうです。
猟の方法も独特です。池に「引堀」と呼ばれる細い堀を何本か設け、小さなのぞき穴から鴨の様子をうかがいながら、ヒエやアワなどのエサとおとりのアヒルで引堀に誘い込みます。頃合いを見て土手の陰から、江戸時代は鷹を使い、離宮の時代は叉手網(さであみ)ですくい取っていました。鴨の霊を慰めるために、昭和10年(1935年)には「鴨塚」が建てられています。
季節の花を楽しむなら「お花畑」へ向かいましょう。春はナノハナ、夏から秋にかけてはキバナコスモスやコスモスが咲く場所です。お花畑のコスモスについてのお知らせによると、近年の猛暑や台風の影響を考え、9月下旬から10月中旬に見頃を迎えるよう調整したそうです。種まきの時期を変えたため、2026年はピンクや白のコスモスは咲かず、黄色のキバナコスモスがお花畑の全面で咲く予定とされています。開花の状況は、浜離宮恩賜庭園の公式Xで案内される予定です。
Xでは、10月15日に秋のお花畑でキバナコスモスを観賞し、平日の午前は外国人観光客が多いもののまだ空いていたという投稿があります。
海側の見どころも見逃せません。パンフレットによると、東京湾に面した水門近くの「新樋の口山」からは、レインボーブリッジやお台場など臨海副都心を一望できます。将軍が船に乗り降りした「将軍お上がり場」も残っているので、海辺の庭だったことを実感できるでしょう。
どう回ればいい?
広い庭園を無理なく楽しむには、かかる時間と入口の位置を知っておくことが大切です。浅草から船で向かう方法もあわせて紹介します。
所要時間と回る順番
園内を1周するのにかかる時間は、よくあるご質問によると約1時間から1時間半です。中島の御茶屋で休んだり、写真をゆっくり撮ったりするなら、2時間ほど見ておくと落ち着いて回れるでしょう。
回る順番に決まりはありませんが、新橋や汐留から歩くなら大手門口から入るのが自然です。大手門を入ると、まず三百年の松があり、その先にお花畑が広がります。そこから潮入の池へ進み、お伝い橋を渡って中島の御茶屋で休み、池のほとりの松の御茶屋や燕の御茶屋、鷹の御茶屋を眺めるという流れにすると、主な見どころを無駄なく回れます。
時間に余裕があれば、鴨場や海側の新樋の口山まで足を延ばしてみましょう。浜松町から歩く場合は、中の御門口から入って逆の順番で回る方法もあります。
庭園の歴史を詳しく知りたいなら、ボランティアによる無料の庭園ガイドに参加するのもおすすめです。よくあるご質問によると、土曜日、日曜日、祝日の午前11時と午後2時に行われています。外国の人を対象にした英語のガイドは、土曜日、日曜日、第2・第4月曜日の午前11時からです。5名以上のグループなら、予約制の特別ガイドも頼めます。特別ガイドは午前10時から午後3時の間に始まり、1時間から1時間半かけて案内してくれるそうです。ガイドは天気によって中止になることもあるため、当日の実施は公式ページやXで確かめましょう。
荷物が多いときは、預ける場所があると助かるでしょう。よくあるご質問によると、中の御門にはロッカーがあり、大手門では入園券を買うときに窓口で荷物を預かってくれるそうです。ただし、貴重品や生ものは自分で持つよう求められています。
車椅子の貸し出しも、窓口で頼めます。公式ページでは車椅子で通れるルートの地図も公開されているため、ベビーカーで出かける場合も事前に見ておくと安心です。
園内は全面禁煙で、喫煙所はありません。ペットを連れての入園はできませんが、介助犬は入園できます。個人で景色や記念写真を撮るのは自由で、それ以外の撮影はサービスセンターへの問い合わせが必要です。東京観光の1日の組み立て方は、東京観光1泊2日モデルコースの記事も参考になるはずです。
水上バスで浅草から行く
浜離宮恩賜庭園には、隅田川を下る水上バスで向かうこともできます。東京都観光汽船の時刻表と料金のページによると、浅草から浜離宮までは片道で大人1,180円、小人470円で、所要時間は約35分です。浜離宮で降りる場合、この料金には入園料が含まれています。
大人は12歳以上、小人は6歳から12歳未満です。1歳から6歳未満の幼児は大人1人につき1名が無料で、2人目からは小人料金がかかります。浜離宮行きの乗船券は浅草乗船場の券売機だけで売られており、事前予約には対応していません。日の出桟橋までの乗船券では浜離宮で降りられない点にも注意しましょう。
便の数は多くありません。同じページによると、浅草発の浜離宮行きの定期便は11時40分と14時20分の2本です。11時40分の便は11月4日、7日、8日、12日、16日が運休、14時20分の便は10月29日、11月17日、18日、24日、27日が運休とされています。ほかに臨時便が出る日もあるため、当日の運航状況を確かめてから出かけるとよいでしょう。
Xでも、便は少ないけれど浜離宮は水上バスでも行けるという投稿があります。船を使うなら、乗る便を先に決めてから1日の予定を組むのがおすすめです。
帰りの船には乗れない点も覚えておきたいところです。東京都観光汽船のページには、現在、浜離宮からは乗船できないと書かれています。行きは船で庭園に入り、帰りは大手門口や中の御門口から歩いて新橋駅や汐留駅へ向かう、という組み合わせになるでしょう。
パンフレットによると、水上バスの発着場は庭園の中にあり、浅草や両国、お台場海浜公園などへの船が発着する場所でした。船を降りればそのまま庭園を歩き始められるため、入口を探す手間がかかりません。浅草観光の後に、隅田川に架かる橋を下から眺めながら移動できるのも、船ならではの楽しみです。
なお、東京都公園協会の「東京水辺ライン」は、東京都の発表によると、防災船を使って10月17日に運航を再開しました。再開した「浅草・お台場クルーズ」の時刻表は二天門、両国、お台場を結ぶもので、浜離宮の船着場は含まれていません。浜離宮へ船で向かうなら、東京都観光汽船の便を選びましょう。
秋から冬に行くなら?
開園80周年の2026年は、秋から冬にかけて特別な催しが続きます。ふだんは見られない夜の庭園や、江戸の文化に触れる行事を確かめておきましょう。
11月3日までの夜の御庭
夜間の開園時間延長のお知らせによると、開園80周年記念事業の第二弾として、10月30日から11月3日までの5日間、開園時間が21時まで延長されます。最終入園は20時30分です。八十歳の「傘寿」を祝うため、「傘」をイメージした趣向で迎えるそうです。
日没から21時までは、園内をライトアップし、光と影で演出する「夜の御庭をそぞろ歩き」が行われます。日中とは趣の違う夜の庭で、秋の夜長を楽しめそうです。夜間特別観賞券などは不要で、通常の入園料だけで入れます。
夜に出かける場合は、入口に注意しましょう。中の御門は17時に閉門し、最終入園は16時30分です。17時以降は大手門を使うよう案内されているわけです。17時以降は安全確保のために立ち入れない区域もあり、車椅子の人は一部の区間を使えないとされています。
中島の御茶屋は、期間中、夜の部も営業するそうです。夜の部は17時から20時30分まで(ラストオーダー20時)で、夜間特別メニューのねりきり抹茶セットや日本酒などを売るそうです。席の予約はできません。昼の部は9時から16時30分までですが、10月31日と11月1日は休止とされています。
芳梅亭の周辺と中島の御茶屋の土間には「月傘亭」が設けられ、キッチンカーによる焼き団子などの軽食が10時から20時30分まで売られます。アルコールの提供は17時からです。
10月21日から23日には、十三夜の栗名月に合わせた「浜離宮でお月見散歩」も開かれていました。園路や樹木をかすかに照らす演出のほか、里神楽や箏、尺八の伝統芸能を日替わりで披露する「小夜の調べ」や、月見台に団子や秋の野菜を供える「月見台お供え式」も行われたそうです。10月23日には、御茶屋群の紹介を中心にした夜間の特別ガイドツアー(参加費500円、各回20人)も開かれました。Xには、お月見散歩のイベントで、中島の御茶屋と湾岸のタワーマンション群の対比がすごいという投稿もあり、夜の御茶屋とビルの明かりの組み合わせが印象に残った人もいたようです。
荒天や雨の場合は、イベントや一部のサービスが中止や変更になることがあります。出かける前に公式Xで最新の情報を確かめておきましょう。
東京大茶会と馬術の催し
夜間開園と重なる週末には、お茶の催しも開かれる予定です。東京大茶会2026のお知らせによると、東京都とアーツカウンシル東京は、茶道になじみのない人や外国の人、子どもたちも気軽に参加できる「東京大茶会2026」を、10月31日と11月1日の10時から17時30分まで浜離宮恩賜庭園で開きます。
会場では、茶席、野点、英語で楽しむ野点、高校生による野点が用意されています。すべての茶席と野点の参加券は当日販売です。参加券を大手門の枡形で売るため、駐車できる場所が狭くなるそうです。もう1つの会場だった江戸東京たてもの園は、10月24日と25日で終わりました。
11月下旬には、馬術の催しが開かれます。西洋馬術導入の地、浜離宮のお知らせによると、八代将軍徳川吉宗の時代に馬術の上覧が恒例となっていた歴史にちなみ、11月21日から23日まで「西洋馬術導入の地、浜離宮」が開かれます。開園80周年の2026年は、かつての馬場の跡で馬術が披露されるそうです。御庭口御門跡の周辺には、流鏑馬や日本の伝統馬術のパネルや貴重な馬具を並べる展示コーナーが設けられ、子ども向けの木馬の試乗もあります。流鏑馬に使う弓の試射を、弓馬術協会の会員の指導で体験できるコーナーも用意されるそうです。
11月22日の10時と11時からは、各回約30分、弓馬術協会の会員の解説に合わせて馬1頭を馬場跡で披露し、日本の馬術による乗り方や歩き方の演武が見られます。参加は無料で、各回約100人まで当日先着順です。21日には、馬場跡や鴨場を庭園の職員が解説するガイドツアーもあります。
23日の13時30分からは、庭師が松の手入れや雪吊り、こも巻きなどの冬支度について、日本庭園の維持管理の歴史を交えて説明する「庭さんぽ」が予定されています。三百年の松の前に集合し、約30人まで当日先着順です。馬の体調によって中止や変更になることもあるため、当日の案内を確かめましょう。
秋の花としては、東京都公園協会のページの花の見ごろ情報に、イチョウやイロハモミジ、トウカエデ、ハゼノキ、サザンカなどが挙がっています。冬にはウメやスイセン、ロウバイが見ごろを迎えるそうです。
まとめ
浜離宮恩賜庭園を訪れる前に、押さえておきたいポイントは次の5つです。
- 浜離宮恩賜庭園は、甲府浜屋敷から浜御殿、皇室の離宮を経て1946年に公開された将軍家の庭園で、2026年に開園80年を迎えました。
- 入園料は一般300円、開園時間は9時から17時(入園は16時30分まで)で、休園は年末年始だけです。
- まず見たいのは、今も海水が出入りする潮入の池と、お伝い橋を渡った先の中島の御茶屋です。
- 浅草からの水上バスは片道1,180円で入園料込みですが、便は1日2本で、浜離宮からは乗れません。
- 10月30日から11月3日までは21時まで開園し、10月31日と11月1日には東京大茶会、11月21日から23日には馬術の催しが開かれます。